注文住宅で家を建てるにあたり、
念願だったシアタールームを設けました。
「この部屋さえ作ってくれたら、
あとの間取りは好きにしていいです」と
妻にお願いして手に入れた、
夫である自分の隠れ家です。
そのレシピを、なるべく詳しく紹介します。
間取り図でいうと、この部屋です。
わずか5帖の、息子曰く
「父ちゃんの手作り映画館」です。
まず、基本的な機材は
2013年頃に揃えたものです。
というのも、この家に来る前に
住んでいたマンション時代に
作り上げたシアタールームを、
新居に移築したからです。
新居はそろそろ3年、
シアター機材は丸5年が経ちますが、
どれも現役で稼働しています。
ただし、マンション時代と大きく違うのは、
コード類を全て壁の中に
通してあるということ。
天井に設置したプロジェクターの
HDMIケーブルと電源、同じように、
リアの天井に設置したスピーカーのラインは、
事前に頼んでおいたオプションの工事によって、
天井裏から壁を通り、スクリーン下の部分、つまり
アンプの裏側辺りに繋がるようにしてあります。
この工事自体は、6~7万円程度です。
まずは部屋の写真を。
扉から入ってすぐに見える光景がこちら。
ソファの頭上にプロジェクター、
そして天井に付けた右リアスピーカーが見えます。
そしてソファに座り、正面を見た光景がこちら。
パソコンデスクの左にPCモニター、
右に32インチテレビ。
これらの上にある白い空間の部分に
映像が投影されるわけです。
ちなみにこの白壁は
スクリーン壁紙となっており、
この一面だけ、
そのような仕様にしてもらいました。
ちなみにヘーベルハウスではプラス料金はなく、
標準の中でこの工事をやってくれます。
そして実際に映像を映してみるとこんな感じ。
画面は最大で横1780㎜、縦1260㎜。
約80インチ画面ということになります。
2018年ワールドカップ、
日本vsポーランド戦の時に撮影した写真です。
プロジェクターでは日本戦を、
そして右下のテレビでは
同時刻に行われていた
コロンビアvsセネガルを見ていました。
後に大議論となったあの試合を、
2試合同時に見られたのは、
たまたまではありません。
実は左下のパソコンでもサッカーが
見られるようになっており、
この部屋は最大で3試合を同時に見られる、
モニタールームのような仕様になっているのです。
まずは、部屋全体の作りをざっくりと
模式図で説明します。
横から見るとこんな感じで、プロジェクターの
ケーブル類は壁の裏を通っています。
そして真上から見ると、こう。
リアスピーカーは天井についており、
ウーハーはテレビの右下あたりに。
がっつり5.1ch組みました。
まずはプロジェクターですが、
自分が使っているのは、
加賀マイクロソリューション株式会社という
国内メーカーが、TAXANという
ブランドで展開しているKG-PL081W。
すでに製造は終了していますが、
価格.comなどで調べ、
8万円程度で購入した物です。
現在の機種でいうと、
このあたりの位置づけのものです。
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プロジェクターは、
本格的なものはあっという間に20万円以上します。
実はこれを買う前に、SANYOのLP-Z2という
15万円くらいのプロジェクターを
使っていたのですが、
これは大きくて重くて高い!
4kg以上あるシロモノで、
それゆえに天井に取り付けることはできず、
あれこれと工夫して背の高い家具の上に置いて
使っていたという過去があります。
この大型プロジェクターはクルマに例えると、
マークⅡみたいなイメージです。
最高級車ではないけれどボディもそこそこ大きくて
乗り心地もよいという感じ。
しかし今のプロジェクターは
1万円を切るような安くて軽いものも珍しくなく、
自分が使っているものは800gを切る軽さです。
クルマに例えるなら、もろに軽自動車です。
この程度の重さであれば、
天井に設置ができます。
それも、専用の設置器具でなくても、
防犯カメラを設置する安い金具で、
裏側からの補強ナシの
石膏ボードに取り付けることができます。
こんなやつです。
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「天井に付けられる」話をしたついでに、
リアスピーカーの話もしますと、
ここについているのはBOSE 161Wです。
2003年頃の発売で2台1組の定価が19800円、
実売は17000円くらいでした。
一つの重さは1.5kgありますが、これくらいなら
ギリギリで補強ナシの
石膏ボードにねじ止めができます。
マンションでも新居でも、
取り付けることができたので間違いないです。
現在は生産が終了しているのですが、
今買うのなら、自分ならこれを選びます。
プロジェクターの話に戻ります。
「じゃあいくらくらいのを買えばいいの?」
となるわけですが、
近年のプロジェクターの進化は本当に早いので、
価格で語ることはできません。
まずは、自分が使っている明るさ、
「800ルーメン」以上のものを買えば、
薄明りの中でも十分な明るさが得られますし、
真っ暗にすれば、
それこそ映画館のような明るさを感じられます。
SANYOのLP-Z2もまた800ルーメンでしたから、
これだけの数字があれば、まず明るさは充分です。
それ以上に明るいプロジェクターもありますが、
それは、
明るい会議室で使用することを想定しているもの。
暗い部屋で映画を見るなら、800ルーメンでOKです。
そして、高いプロジェクターと
安いプロジェクターの
一番大きな違いは、
ズームレンズが
あるかどうか
です。
画面の大きさを、レンズ横のつまみで
調節(ズーム)できるのが高級なヤツ。
安くて軽いプロジェクターは、
本体と壁との距離で、
これを調節しなくてはなりません。
プロジェクター本体を壁から遠く離せば
画面は大きくなり、近づけば小さくなります。
ただし遠くなればその分画面も暗くなり、
画質も眠くなります。
ズーム機能の付いた高級なものを
天井に付けようとすると、
専用の金具が必要となり、
天井側の補強も必須となります。
安く仕上げるためには、
これはあきらめなくてはなりません。
というわけで、安いプロジェクターが
自分の部屋にはついているわけですが、
問題は、望み通りの画面サイズにしたとき、
プロジェクター本体がどの位置に
来ているかということです。
自分の場合はここに来る前からマンションで
使用していたことから、
プロジェクターと壁との距離は2300㎜くらいと
いうことが分かっていましたので、
シーリングライトとも干渉することなく
設置ができました。
これがもっと焦点距離の近いものだと、
このライトと被ってしまう可能性があるので、
購入前に、その部分だけはカタログで
確認しておきましょう。
「プロジェクターを付けたいところに付けたら
今度は画面が大きすぎて壁からはみ出してしまう」
ということにもなりかねません。
ルーメンも大事ですが、
投射距離はもっと大事です。
これから新規でプロジェクターを
購入するのであれば、まずは、
映したい壁の大きさを測り、
何インチの画面で
見られるかを調べる
ことから始めましょう。
また近年は、
壁から数十センチ離した場所に設置ができて
100インチ大画面のような、
超近距離タイプのプロジェクターもありますが、
自分はこれを持っていなくて、
語れないので語りません。
ここまでは、ひたすら安く安く
準備をしてきましたが、唯一、
多少頑張ったほうがいいものがあります。
アンプです。
プロジェクターは映像を映し出す機械。
HDDプレイヤー(パナソニックDIGAなど)は、
映像を送り出す機械。
6つのスピーカーは音を出す道具。
これらすべてをつなぐのが、アンプです。
自分の部屋には
SONY STR-DN1040
が置いてあります。
5万円くらいで購入しました。
そもそもアンプは高いものなので、これでも
「低価格モデル」という位置づけであり、つまり
アンプの中では「下の上」というあたりです。
出始めた当時は、
「これだけの高機能アンプが驚きの低価格で登場」
といった触れ込みでした。
最大で7.1chまで組むことができ、無線LANを内蔵、
BluetoothとAirPlayの両方に対応し、
スマートフォンやタブレットとの親和性も高いタイプ。
つまりスマホの音楽もBluetoothで
飛ばして聞くことができるわけです。
…が、それはたいして重要なことではありません。
5万円以上出せば、それ以上に高いアンプにも
引けを取らない性能が得られるということです。
アンプの技術革新は
とっくの昔に打ち止めされていて、
5万も100万もそんなには違わないということです。
自分のような初心者は、
これで充分ということです。
ただし、5万くらいは出さないと、
こまごまと不満が出てくるよ、
ということでもあるので、
ここだけは奮発しましょう。
今、SONYでアンプを買うのなら、
自分ならこれを買います。
ドルビーアトモス対応です。
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とはいえ、中古で買うのも、もちろんありです。
中古屋さんに行くと、
驚くほど安い値段で売っています。
これを買うときにチェックするポイントは、
・HDMI端子であるか
・タバコの臭いは付いていないか
の2点です。
昔ながらの、赤と白の音端子と黄色の映像端子や、
ちょっと頑張ったD端子などでは、
話になりません。
テレビもゲームもプロジェクターも、
今はそのほとんどがHDMIケーブルですから、
出入力の端子が
HDMIであることは
最低限の必須条件です。
また、喫煙ルームで使用していた機材は、
内部がヤニで汚れているため、
寿命も短くなります。
やめましょう。
そして前面左右のスピーカーは、
PioneerのS-LM2-LR。
トールボーイフロア型スピーカーと
呼ばれるもので、
これは新居に移ってから購入した物です。
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自分の部屋のスペース上、
あまり大きなものは置けず、
かつ、耳と同じくらいの高さで音を出したい
という条件で探した結果がこれです。
新品でもかなりお安く、2万円くらいです。
フロントスピーカーはそれこそ、ピンキリです。
アンプと同じ理論で
「いくら以上出せばあとは大差ない」の
域にしたければ、
20万円くらいは出さないといけない
アイテムではありますが、それは無理です。
たとえ2万円のスピーカーであっても、
きっちり5.1chを組み、
後ろからも音が出て入れば、
それなりに楽しめます。
フロントスピーカーに究極を求めてはいけません。
自分はかつて、二子玉川の蔦屋家電で、
1本1000万円、2本で2000万円という、
「家かよ!」みたいな値段のスピーカーの音を
体験したことがありますが、
そりゃ確かにすごいです。
目の前に、
NHK交響楽団が
全員集合
して演奏していました。
スピーカーは、上を見ればキリがないのです。
泥沼です。
その泥沼にはまると、最後は、
「流れてくる電気の質が…」
などと言い出すようになり、
自分の家の前に、
専用の電柱を立てる人もいるほどです。
恐ろしい泥沼です。
注文住宅を建てつつ、
そこそこの予算で
シアタールームを作りたい、
自分のような人間が
足を踏み入れていい世界ではありません。
昔の人は、
このシアタールームに対する考え方を指して
「吾唯知足」と言いました。
「我、ただ、足るを知る」
つまりそこそこで
満足することが大事なのです。
その理論にのっとって、
ここから先は安上がり根性全開です。
ウーハーとセンタースピーカーは
ONKYOの製品ですが、
どちらも中古屋で買いました。
それぞれ2000円くらいです。
これでも充分なのです。
ただし、ないといけません。
あることが大事なのです。
とくにウーハーは、
5.1chの、「.1」の部分であり、
迫力を感じさせてくれる肝の部分です。
これがあるとないとでは大違いです。
まあいいかと思わず、
暫定的に安いものでもいいので、
設置しましょう。自分もまた、この2つは
暫定的に安いものを
設置してみたら、
満足できてしまいました。
値段をまとめましょう。
プロジェクター 8万円
アンプ 5万円
フロントスピーカー 2万円
リアスピーカー 1万7千円
ウーハー 2000円
センタースピーカー 2000円
ケーブル類 1万
合計 18万1000円
といったところでしょうか。
これに、ヘーベルハウスを通しての、
ケーブルを通す工事のオプションが6~7万、
そして普段見るための小さなテレビが3万円くらい。
最終的に、
このシアタールームを
作るのに要した金額は約28万
ということになります。
長い長い記事を最後まで
読んでいただきありがとうございました。
しかし。
シアタールームに関してはまだまだ
語りたいことがあるので、続きます。
夢の部屋、作ろうぜ!
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