私たちがそうであったように、
注文住宅を建てた知人の話を聞くと、
誰もが、最終的な間取りの決定にあたっては、
「本当にこれでよいのだろうか?」と悩みます。
はっきりいって、うなされます。
夢にも出てきます。
いよいよ締め切りが近くなってくると、
もう眠れません。
間取り図と首っ引きで、
実際にそこに住んだ時のことをイメージし、
動線を考えたり、部屋や収納の広さを考えたり、
それまで気付かなかった
見落としがないかを考えたり、
本当は実現したかったけれどあきらめた希望を
どうにか今からでもねじ込めないかと夢想したり、
とりとめもなく考えてしまうものです。
「ほんっと、あの時期は
眠れなかったよねー」
…というのが、
注文住宅を建てた人同士の会話あるあるです。
基本的に注文住宅の場合は、
こちらの家族構成や間取りの希望を出し、
それを受けた営業マンなり建築士なりが
間取り図を作り、それをもとに何度も
ブラッシュアップを重ねながら、
最終的な図面を仕上げることとなります。
週末ごとに数時間の打ち合わせをするわけです。
ハウスメーカーに頼むのか、デザイン事務所なのか、
工務店なのかによって、その期間は異なりますが、
必ず締め切りはやってきます。
ちなみに私たちが頼んだヘーベルハウスの場合は、
2~3ヵ月でした。
そして書き換えに書き換えを重ねた図面は15枚。
これでも少ない方だそうです。
それほどの期間を使ってもなお、
なぜ悩みは尽きないのか。それは、
建築に関しての素人である自分たちと、
ある程度分かっているであろう営業マン。
その1対1の関係だけで、
あーだこーだとしているからです。
要するに、もっと多くの人の助言があれば、
その不安や疑問点は、取り除かれていくはず。
そこでおすすめの方法が、
現時点の図面をもって
モデルハウスに行く
ことです。もちろん同じメーカーの、です。
大手のハウスメーカーで家を建てるメリットは、
ここにあるといっても過言ではありません。
基本的にハウスメーカーの営業マンは、家が好き。
自社のお客様がやって来て、
間取り図を見てほしいと言えば、そりゃ見ます。
むしろ「わぁ、見せて見せて!」くらいの勢いです。
経験上、ヘーベルハウスの営業マンは
特にその傾向が強く、その間取り図に
ついての感想などを述べてくれます。
「階段が、家の中心部にあり廊下が少ない。
これはよい間取りだ」
「むっ、このパイプスペースは
建物の外に出すこともできるはずだ」
「コンパクトにまとまっていて無駄がないが、
ウォークインクローゼットが
ちと広すぎるのでないか」
口調はさておき、これらは実際に、私たちが、
担当者ではない別の営業マンたちから言われた内容です。
「そうそう、そういうこと
言ってほしいの!」
という助言が、次々にもらえます。
私たちの担当営業マンは、非常に優秀な、
まさに「ミスターヘーベル」みたいな方でしたが、
当時はまだ30代。他のモデルハウスに行けば、
もっと年齢と経験を重ねた営業マンは
いくらでもいます。そうした方々の知見も
いただきたいというわけです。彼らは、
それぞれが独自の目線で助言をしてくれます。
その助言を取り入れるか否かの判断は
自分たちですればよろしいわけで、
なにはともあれ、これによって、
「1対1の関係だけで間取り図を作る」ことは
なくなります。
具体的な例を出します。
現在は脱衣所とフラットになっている
2階のふろ場ですが、
当初の図面では、こんな段差がありました。
当然、フラットの方が使い勝手はいいわけです。
「これって、どうにかならないものですか?」
担当営業に尋ねたところ
「2階なのでどうしても…」という話でした。
諦めきれなかった私たちは、
別の展示場の営業マンに相談してみたところ、
「この軒をもう少し伸ばして、これこれこうすると、
構造上、段差をなくすことはできるはずだ」
と言ってくれたのです。
それは、締め切りも近づいてきたころでした。
「この段階でこの変更をすると、
担当の営業は大変かもしれないけど」
と笑いながら、その営業マンは助言をしてくれました。
会社としての立場ではなく、
目の前にいる私たちの立場で言ってくれたということです。
ヘーベルの営業は、そうした方が多いです。
助言をもらうためだけではなく、
家づくりの参考のために、私たちはこの時期、
毎週末、モデルハウスを回りました。
結果的には、埼玉と東京の全て、50カ所以上。
それと同じ数の営業マンと話をしてきたわけですが、
そこまでの経験を積むと、目の前の営業マンが
優秀な方か、普通レベルの方か、
分かるようになります。
優秀な人ほど、
具体的で役に立つ助言をしてくれます。
そして風呂の段差に関するそんな変更を、
直接、担当の営業マンに伝えた時、その人は、
「今からこの変更ですか?」
みたいな態度はおくびにも出さず、
「スミマセン。その方法がありましたか」
と当然のように受け入れてくれたのです。
決して「バレたか」みたいな感じではなく、
経験不足を恥じ、謝りながらの上で、です。
友達や親せきに間取り図を見せたって、
その道の専門家でない限り、何も分かりゃしません。
欲しいのは、専門家の助言。その点で、
「この間取り図でよいのか」の答えをくれる、
もっとも身近な人間は、住宅展示場の営業マンです。
大手のハウスメーカーで建てるのであれば、
そのメリットはとことん享受するべきです。
つまり私たちは、50人以上の人たちから
助言をもらったということになります。
その結果、完成した我が家は、致命的な
「こうすればよかった」はないものとなりました。
いや、こまごまとはありますが(汗)。
そうならないためにも、
多くの住宅展示場を回り、図面を見せ、
相談に乗ってもらうことをおすすめします。
もちろん全ての方が有益なことを
言ってくれるわけではないので、
そこは労を惜しまず、
多くの展示場を回る必要があります。
自分たちの「家を見るスキル」が
上がるという意味でも、
回れば回るほどよい
家が建つ
と言ってよいでしょう。
また、ブログも役立ちます。
私たちもまた、たくさんの方々の
ブログを参考にさせていただきました。
このブログが、これから家を建てるどなたかの
お役に立てるのであれば幸いです。
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