モデルハウスは素敵ですが、
そのハウスメーカーに注文すれば、
それと同じ家が勝手に建つと思ったら大間違い。
そこに建っているのは、オプションにまみれた、
いわば舞台の書割です。
【書割】(かきわり)
演劇用語。大道具に属する張物(はりもの)や背景幕に、建物、風景などを遠近法によって書いたもの。柱、壁、戸または山河などをいくつもの張物に割って書くことから、この名が生まれた。 日本大百科全書より
おしゃれすぎるアクセントウォールも、
造りつけられた机も棚も、
収納下の、ほんのりとしたライトも、
和室の雰囲気を高めてくれる、
クロス仕上げではないこうした天井も、
カフェ感を醸し出すこんなキッチンのあれこれも
全てはオプションです。
注文をする際に、
「こうしてくれ」と言えばこうなりますし、
言わなければどうにもなりません。
そして「こうしてくれ」と言えるだけの
引き出しを自分の中に蓄えるためにも、
ハウスメーカーで注文住宅を建てる前には、
集中的に、そのハウスメーカーのモデルハウスを
見て見て、見倒す必要があるのです。
実際に、私たち夫婦は東京と埼玉、神奈川の
住宅展示場を50カ所以上巡りました。
そのあたりの詳細についてはこちらから。
そして、
「モデルハウスはオプションだらけ」と言いましたが、
同じものを作ることは、もちろん可能です。ただし
そのひとつひとつにオプション料金がかかるため、
「予算」と「こだわり」との、
綱引きが行われるわけです。
注文住宅を建てる人の誰もが、
この綱引きの末に、家を完成させているはずです。
その一方で、なかなかモデルハウスと
同じようにはならない部分があります。
これこそが、
モデルハウスと実際に
建てる家との違い
になるのですが、それは、
玄関の広さと
廊下・階段の幅。
例えば、この玄関。
玄関が広いのは豪邸の証ではありますが、
限られた建坪の中で、玄関ホールに
これだけのスペースを割くことは
なかなかできません。
まさに、ここがモデルハウス仕様。
また、廊下も広めです。
広すぎて、家の中に白樺まで生えることも。
ま、あくまでオブジェですが、
こんな余裕をも持たせて、
モデルハウスは建てられているということです。
階段もまた、通常の家よりもその幅は広め。
我が家が76㎝なのに対し、91㎝と約1.2倍です。
※ともに巾木部分抜きのサイズです。
「モデルハウスは広いな」
「広すぎて現実感ないな」
と思わせられる理由は、ここにあります。
そしてまた、なぜ廊下や階段の幅が
これだけ広いかといういうと、それは、
人と人とがすれ違えるため。
たくさんの人がここを訪れ、そして
部屋のあちこちを出入りするにあたって、
移動がしやすいよう、
幅が広く作られているのです。
さまざまなオプション装備と同様に、
自宅の廊下や階段だって、
こうしてくれと言えば広くはなります。
…が、その分、居室が狭くなるわけです。
現実的に家を建てるとなれば、
廊下や階段は普通の幅にしておいて、その分、
LDKや洗面所や、寝室や子ども部屋を
広くしたいのは当然のこと。
廊下< 居室
であります。
つまり、モデルハウスを見る時には
「この廊下や階段はまやかしだ」
と、そういう目で
見なくてはならないということです。
廊下が広すぎて気持ち良くなって、
子どもが寝転がって泳ぎだしても、
「実際にはそうはならないんだよ」と
教えてあげることが大切です。
泳いでいるのは我が家の息子(当時6歳)です。
ではモデルハウスで何を見るのかというと、
天井の高さだったり、工法だったり、
部屋の雰囲気だったり。そしてまた、
営業マンの人となりを感じ取ることも大切。
実はこれが、一番重要だったりします。
モデルハウスを見て
そのハウスメーカーの家に憧れて、
私たちも家を建てました。
しかし、冒頭に述べた通り、
それと同じ家にはなりません。
ましてや、そこと同じ幅の
廊下・階段には、決してなりません。
モデルハウスで感じる
広さ感は、幻です。
ということを踏まえて、いろいろな
ハウスメーカーを見て回るとよいと思います。
そしてまた、リアルサイズの家を見るのなら、
バス見学会に参加するのが一番。www.keigoman.com
今週末も、我が家で
皆様のお越しを
お待ちしております。
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【我が家が比較検討したハウスメーカー】