子どもの頃からずっと東京に住み、
社会人になってからは、都心で働いていた。
一人暮らしは駅の真上のマンションだったから、
あの頃は、ネオンきらびやかな夜の都会が、
自分の生活において、とても身近にあった。
そして、子どもは嫌いだった。
結婚をして、マンションを買い、
そして子どもが産まれて、
一戸建てに買い替えた。
ビルが立ち並ぶ都内からはすっかり離れ、
駅からも遠く離れた場所に、今は住んでいる。
都会のネオンは、はるか遠くになってしまった。
でも。
あんなに好きだった東京が恋しくなくなったり、
好きではなかった子どもが好きになったり、
この10年で自分は、ずいぶん変わったと思う。
そのことを、改めて感じさせてくれたのが、
息子が通っている、そろばん塾の光景だった。
街灯の少ない閑静な住宅街に、
ポツンと佇む、プレハブの小さな塾。
還暦を超えているであろうご夫婦が
2人で営んでいるその塾には、
意外なほど大勢の子どもたちが通っている。
12月に入った頃、その塾の入り口に、
クリスマスの電飾が飾られていた。
ご夫婦で取り付けたのだろう、
小さな小さなネオンの光。
それが飾られた初日、
おそろいの塾のカバンを持った子ども達は、
「きれい」「きれいだね」
と口々に言い合っていた。
ささやかなその灯りに対して、素直に
「きれい」と言える子ども達の気持ちと、
夕暮れの中、住宅街にほんのり灯る、
赤色や青色の光。
それは、「子ども」も、「田舎」も、
今はもう大好きになっている自分に
改めて気が付かされた、冬の光景だった。
どんなに華やかなイルミネーションよりも、
それは美しく見えました。
メリークリスマス。
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